脳血管障害の急性期(手足の麻痺などの症状が出現した直後)や手術が必要な病気などでは西洋医学的な治療が必要ですが,生活習慣病(メタボリックシンドロームなど)の慢性の病気や花粉症・アトピー性皮膚炎といったアレルギーの病気などでは漢方治療が威力を発揮することがよくあります。
漢方治療では「気の流れ」「血の流れ」「水の流れ」を調えること,五臓(五臓六腑の五臓です,肝,心,脾,肺,腎の五つです)のバランスを調えることなどを行っていきます。漢方では「未病(みびょう)」という考え方があります。「いまだ病にいたらざる」ということで,現時点では大したことではないのですが,ほっておくと大きな病気になるサインです。「大きな病気になってからあわてて治療をするのではなく,このサインがでた時点で治してしまえば大きな病気にならなくてすむ」わけです。このサインが「証(しょう)」とよばれるもので,漢方では病名だけではなく,この「証」に基づいて治療を行っていきます。
実際の治療は漢方薬が中心になります。漢方薬といえば薬局などで売られている、顆粒状の薬(エキス剤といいます)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが,もともとは薬草をせんじてつくる「せんじ薬」です。コーヒーにたとえていえば,「せんじ薬」がドリップやサイホンでいれたコーヒー,「顆粒状の薬」がインスタントコーヒーになります。 |