うつ状態になったのは、夫の両親と同居をするようになってからの気がします。今度、夫の転勤でまた家族だけの生活に戻ることになりました。これで、もう治療を受けなくても大丈夫でしょうか?
うつ病はある一つの原因ではなく、いくつかの原因や状況が重なりあって発症するといわれています。なかでもうつ病は脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの減少が原因であると考えられています。そしてこれに、同居や引越し、転職、仕事の激務といった生活環境上の変化やストレスが加わってうつ病が発症するといわれています。そのため、この「同居」というのは、うつ病を発症する「誘因」ではありますが、原因そのものではないため同居を解消したからといってうつ病が治ったと判断することはできません。そして、このようにうつ病が発症する人の場合、「同居」という一つのストレス要因を取り除いても、また別のストレスがきっかけでうつ病の症状が現れることもあります。そのため、うつ病の患者さんでは、うつ病に対する抵抗力を高める必要があり、くすりによる治療はこの抵抗力をつける一つの有効な方法です。
ですから、原因が解決できたとしても、それはうつ病がよくなったわけではないため、医師の指示のある間は治療を続けてください。