うつ病の治療には家族のサポートが重要であるといいますが、家族の人間関係がうつ病の原因となっている場合、どのようにしたらよいでしょうか?
うつ病は何か一つの要因のみによって発症するわけではなく、もともとその人が持っている素質や感受性、感覚、置かれている生活環境など、いくつかの要素が積み重なってうつ病が発症します。家族との人間関係に原因があるかもしれないという場合、環境調整をすることは大切です。しかし、それとともに適切な治療を受けなければうつ病は改善されません。
うつ病を改善するために何より大切なのは、適切な治療と休養です。治療は病院に行けば受けられますが、こころやからだをゆっくり休めるためには周囲のサポートが欠かせません。そのため、家族の問題についてどのように対処していけばよいか主治医に相談しながら、協力を求められる身内の方や友人、会社の同僚などにうつ病のことをきちんと話し、休養がとれる環境をつくるようにしましょう。しかし、どうしても自分では環境がつくれないという場合は、入院を考えてみてはいかがでしょうか。うつ病の患者さんはまじめで責任感の強い人が多いため、「あれを自分がやらなければならない!」という義務感からなかなか開放されず、何もしないでゆっくりとただ休むということができません。そのため、入院のように全てお任せできる環境の方がゆっくりと休み、治療に専念できるかもしれません。
最近は、ストレスから解放される環境で心身ともにゆっくり休養できる場を提供することを目的とした「ストレスケア病棟」がある病院も少しずつ増えてきています。